とあるNPOのキャリア教育研修講座を受けてきました。
テーマは
キャリア教育への厚生労働省の取り組みと、経済産業省の取り組み
の2本立て。
この日は厚労省と経産省の方がいらっしゃる予定でしたが、別の用事(国会?)でいらっしゃれなったそうで、協会の方が講師に。
内容は各省のハンドアウトを元に行われました。
その内容をざっくりまとめましたので、ご興味ございましたら、ご覧ください。
厚労省のキャリア教育は?
厚労省は「若者の就職を巡る現状と厚生労働省のキャリア教育関連施策」というテーマで内容はざっと下記の話がありました。
若者の就業の現状
→大学、高校の有効求人倍率
→高校生、大学生の就活ルール
高校生は9/16から選考内定開始
大学生の就活は3/1より説明会開始、選考は6/1〜 学校も企業もスケジュール遵守
→卒業から3年以内の離職が中学6割、高校4割、大学3割
→職業感、勤労感の育成が甘い
→離職率の高い産業
→中退後の就業状況はアルバイトが6割→中退者の対策は?
→フリーターは職業だと思っている子もいる
厚労省のキャリア教育関連施策
→キャリア教育の定義
「一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」
これは、厚労省・経産省・文科省の3省一緒。
→厚労省は労働者向け
→文科省は教育課程においてキャリア教育を推進、経産省は企業の教育資源と学校を結びつける
→中学校高校でのキャリアコンサルタント活用事例
→地域若者サポートステーション(サポステ)の概要など若者の就業・就職支援を行う施設の話
など。
経産省のキャリア教育は?
経産省は「激変する産業構造とこれからの教育のあり方」というテーマでした。
GDPで見る世界における日本
→2000年ころまでは世界GDPのうち14%程度を占めていたが、今は8.5%と低下している。
→アメリカ、中国、インドが経済成長をする一方で、日本経済は伸び悩み、相対的なGDPシェアは低下の見込み
→第4次産業革命(IoT,AI,ロボット、ビッグデータなどディープラーニング技術)で、実現不可能と思われていた社会の実現が可能
→ 技術のブレークスルーによって、 産業構造や就業構造が劇的に変わる可能性
→第4次産業革命による「仕事内容」の変化は?(仮説)
・日本の雇用のボリュームゾーンである従来型のホワイトカラーの仕事は大きく減少?
・ミドルスキルも含めて新たな雇用ニーズを生み出すため、就業構造の転換に対応した人材育成や成長分野への労働移動が必要になる
・経営企画やマーケティング、データサイエンスなど上流工程の仕事、それを支えるミドルスキルの仕事も増加
・人間に関わる仕事や、安心感が購買の決め手となる商品の営業・販売の仕事は増加
・製造、調達などの仕事、付加価値の低い営業・販売の仕事は減少
今後求められるスキル・コンピテンシーは
1・課題設定力、目的設定力
2・データ活用やITにかかる能力・スキル(データ分析、活用、ITリテラシー)
3・コミュニケーション能力
4・分野を超えて専門知や技能を組み合わせる実践力
5・リーダーになる資質
人生100年時代の社会人基礎力とリカレント教育
→これまでは Work for life(人生のための仕事) これからは Work as life(仕事と人生)
→一億総学び社会において、絶えず学び直しを通じたアップデートや新たなスキルの獲得が必要
→社会人としての共通能力(OS)+業界特性に応じた能力(アプリ)
→人生100年時代の社会人基礎力
(詳細は下記がほぼ同じスライド)
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/jinzairyoku/jinzaizou_wg/pdf/007_06_00.pdf
まとめ
私がなるほどと思ったのは、
経産省では、いつまでに何を、どうキャリア教育を考えるかの「教育スキル設定」があるけれど、
文科省はないということ。
つまり、どうキャリア教育を推進するか?学校に委ねられている状態なんだとか。
それでは、なかなか現場レベルでは進まないですよね…。。。
当然教科書もないですよね。
なら先生が教科書を作ればよいのでしょうけど、過酷な労働で時間がないとか、そもそも必要性を感じていない方も多いのかも?とも予想できます。
個人的には、教科書は難しいとしても、学校現場がすぐできることとして、もっと外部の人を入れて、多様な大人たちに会い、大人も多様な子どもたちを見て、人として成長できる環境になればいいなと思っています。
そして、子どもも大人も100歳まで生きる前提で、自分らしく学び続けられる社会になるといいなと思っています。