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キャリア教育の記事を執筆しました(サイト閉鎖のため再執筆)

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学研ゼミに昨夏キャリア教育についての記事を書かせていただきましたが、サイトが閉鎖してしまったため、こちらに趣旨は変えずにリライトしたものをアップしておきます。(キャプチャを取ったはずが、何かの手違いで行方不明になってしまいました…)

よろしければご覧ください。

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キャリア教育とは? 幼児期・学童期に育みたい「生きる力」

 

昨今耳にすることが増えてきた「キャリア教育」という言葉。キャリアというと進路選択や学歴・職歴といったイメージが先行し、特に幼児期や学童期の子どもにはまだまだ先…と思われている方も多いかもしれません。

ですが、キャリア教育は今や小学校の授業でも取り入れられており、今後の社会を生きる子どもたちに必須の教育であると言われています。今回はキャリア教育とは一体どんな教育で、どんなことを子どもたちに身につけさせれば良いかを考えてみたいと思います。

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そもそも「キャリア」「キャリア教育」とは?

キャリア教育を考える前に「キャリア」とは何かを紐解いていくと、文部科学省の中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」では、以下のように記載されています。

“人は,他者や社会とのかかわりの中で,職業人,家庭人,地域社会の一員等,様々な役割を担いながら生きている。(中略)人はこれらを含めた様々な役割の関係や価値を自ら判断し,取捨選択や創造を重ねながら取り組んでいる。人は,このような自分の役割を果たして活動すること,つまり「働くこと」を通して,人や社会にかかわることになり,そのかかわり方の違いが「自分らしい生き方」となっていくものである。このように,人が,生涯の中で様々な役割を果たす過程で,自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが,「キャリア」の意味するところである。”

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2011/02/01/1301878_1_1.pdf (P17参照・一部抜粋)

これは、単なる職業や学歴・職歴などを指すのではなく、「働くこと」を通して、生涯に渡って自分の価値や役割を見つけ、社会と関わり、活動し、積み重ねていく活動。つまり、その人の人生や生き方そのものを指していると言っても良いでしょう。

それらを踏まえて「キャリア教育」の定義を見てみると、

“キャリア教育とは、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育”

※キャリア教育の定義→中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」よりhttp://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2011/02/01/1301878_1_1.pdf (P16参照)

とあり、こちらも単なる学校・学部選びや進路選択ではないということがわかると思います。

このように、キャリア教育とは

  • 誰もが生涯に渡って、自身のより良い生き方を見つけ
  • そのために必要な能力・態度を育てること

と言えるのではないでしょうか?

人と関わり、経験から学ぶことがキャリア教育の第一歩

では、子どもたちがより良く生きるために、必要な能力・態度はどのようなものがあるのでしょうか? 中央教育審議会は、キャリア教育推進のポイントを各学校段階に合わせて挙げています。

例えば幼児期では、

“高齢者や働く人等、自分の生活に関係の深い地域の人々との触れ合いや交流を通じて、人とかかわることの楽しさや人の役に立つ喜びを味わうことができるようにすることが重要である。(中略)特に、集団の中で、幼児が自己を発揮し、教師や他の幼児に認められる体験をし、自信をもって行動できるようにすることが重要である。”

また、義務教育期では、

“社会生活の中で自らの役割や、働くこと、夢を持つことの大切さの理解、興味・関心の幅の拡大、自己及び他者への積極的関心の形成等、社会性、自主性・自立性、関心・意欲等を養うことが重要である。(中略)地域社会とかかわる活動等を通じて、「働くこと」の意義を理解することや、自分が「できること」「意義を感じること」「したいこと」を理解し行動すること、これらを「学ぶこと」の意欲につなげることなどが必要である。”

と、具体的に挙げられています。

人と関わり、自己を発揮し、認められ、関心・意欲を高めていく。これらは、きっと多くの保護者が子どもに「こう育って欲しい」と願う「生きる力」そのものであるように感じます。

「生きる力」を育むために、家庭でできる関わり方や声掛けの例

上記のことを踏まえて、保護者ができることは何か、私が良く実践しているのは下記2点です。

1つめは「自分で決める経験をさせる」こと。

主に実践しているのは「寝るときに読む絵本を自分で決めさせる」ということ。なんだ、そんな些細なこと、と思われるかもしれませんが、今日は何を読みたいか本人が選んで、決めて、読んでもらえる(受け止めてもらえる)安心感は、自信を持って発言・行動する力につながるのではないかと思います。また、選んだ本を褒めたり、理由を聞いたりすると尚良いと思います。

もし、早く寝かしたいのに文章の長い本を選ばれた、毎日同じ本で保護者が飽きた、といったときには「長いから半分までは読むけど、続きは明日でいい?」「いつも同じ本で、ママ飽きちゃったから他の本はどう?」など、子どもと相談しても良いでしょう。(相手にも気持ちがあることを伝えるのは大切なことです。)

2つめは「一連の流れに沿ったお手伝いをしてもらう」こと。

小5の娘には、主に「お米を洗って炊く→炊きあがったらお茶碗に盛ってもらう」お手伝いをしてもらっています。洗って炊くことはできても、もし、私や夫がお茶碗を洗い忘れていると、盛ることができませんが、そのときに「お茶碗を洗って」とお願いするのか、自分で洗うのかを考えるでしょう。流れに沿ったお手伝いは、自分がしていないところは誰かがしているのであり、そうやって家事は成り立っていることも理解してもらえていると感じています。

年長の息子には「自分の洗濯物を洗濯に出す→洗って畳み終わった洗濯物を引き出しにしまってもらう」お手伝いをしてもらっています。これは着た服を洗濯に出し忘れると、洗われないので着ていくものがなくなってしまうこと(実際は出し忘れてもこちらで洗濯に出しますが…笑)や、畳んだ服を置きっぱなしにしているとどんどん洗い終わった洗濯物が増えて、部屋が散らかる、だから大切なお手伝いだということを伝えられたら良いなと思って、お手伝いの声掛けをしています。

まとめ

いかがでしたか?キャリア教育といっても難しいことではなく、日常生活の中で育むことができ、小さくてもその積み重ねがきっと子どもの生きる力になり、豊かな人生につながっていく。勉強や運動ができるだけではない、主体的に生きる幸せを子どもたちに伝えていけると良いですね。

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ライター:かつまたけいこ

大手情報サービス企業を卒業して早3年半。現在はキャリアコンサルタント、ライター、小中学校での情報教育支援など数足のわらじを履いて生きています。小5娘、年長息子の二児の母。